ひとつの部屋に、同じ畳は1枚もない。
個性が有り、共に生きる、呼吸する肌。
畳は寸法が決まっているものだから、同じものを6枚作れば6畳になる…
このように思われている方は多いかもしれません。
しかし、実はひとつの部屋の6枚の畳は、まるでジグゾーパズルのピースのように、微妙に寸法や形が異なっているのです。
たとえば、家屋の柱が部屋の隅にあると、柱の出っ張りにあわせて畳の形に凹みを作っている住宅は案外多くあります。
また、家屋は構造木材の歪みや縮みなどが発生し変形していくため、その形にすき間無く当てはまる畳を作ることが必要です。
そこで寸法の正確な把握と、要所を押さえた畳の制作が必要になってきます。
現代では、畳製作の機械などで芯を縫い付けていくなどの力仕事は機械化してできるようになりました。
しかし、それぞれのお宅の状況に合わせた最終調整などは、やはり職人の優れた技術が必要です。
また、現在では、断熱材や保温性などにすぐれた壁や建材の住宅がほとんどになりました。
そのような家屋では湿度の逃げ場がなく畳に水分が溜まりやすいなど、畳素材のチョイスやメンテナンスの方法など、プロの畳職人からご提案したいこと・できることはたくさんあります。
「畳」は単なる床材ではありません。
個性が有り、共に生きる、呼吸する肌です。私たちは、快適な畳の暮らしのために、長くお手伝いをさせていただければと考えています。