萩の住空間を築いて135年を超える老舗畳表店4代目として
当店は明治時代からこの古都・萩で畳表店を営んでまいりました。
最も古い記録としては明治15年の萩商工会議所資料に当店の名が記されており、
135年以上の歴史を重ねています。
私は創業から4代目にあたります。
大学卒業後、25歳で先代の父から家業を受け継ぎ、20年になりました。
幼少の頃から家業を見続け、夏休みに畳の寸法をとる手伝いをしたり手順を観察したり、畳職人の世界の中で大きくなりました。
手伝いをしたときの父の嬉しそうな表情が子供心に印象深く、家業を受け継ぐということを自然に受け止めていたように思います。
畳の一番の魅力
日本人の生活とは切っても切れない「畳」。
最近では日本のみならず、日本文化に理解のある外国の方々にも、畳の良さが浸透しつつあります。
「畳の良さ」とは、なんでしょうか?
私は一言で言えば、「ごろっと、横になれること」だと思っています。
子供のころ、畳の部屋で大の字になって昼寝をした想い出はありませんか?
適度な弾力性や温かさ、柔らかさ、さらりとした肌触り、風通しの良さ。
裸足で歩いても、顔をつけて寝転んでもいいという、清潔感。
畳表の、自然な香り。
あのときの開放感や安心感・信頼感は、フローリングや、ましてや大理石の床では得られない、かけがえのない安らぎであったはずです。
畳は、このように「家」「家族」の風景や肌触り、香りなどの記憶と切っても切れないところにあるものではないでしょうか。
この135年、私たちの生活は大きく変化し、大きく洋風化しました。
しかし、昨今ではこの「畳のある暮らし」の本当の安らぎを、大切にしたいという方が年々増加しています。
この「畳のある暮らしのしあわせ」の積み重ねを、
明日へ未来へと繋げていくことが、私どもの使命だと感じております。
最新型TATAMIへのたゆまぬアップデート
「畳」は歴史と伝統の世界だけのものではありません。
畳表も畳の土台の床材も、メーカーでは新素材が研究され、新技術が導入され、常に「今を生きるみなさまの暮らしが最も快適になる製品」にアップデートされています。
日本国内で生産された素材を使っての国産畳の他、中国産の畳表は大変安価で多くの集合住宅や賃貸物件で使われるようになりました。
品質では劣るといわれていましたが、最近では品質向上の工夫もなされています。
新素材の進化も顕著です。ポリプロピレンの畳表の登場は、劣化に強く手入れも簡単で、工場での大量生産で品質のばらつきも少ないため、手軽な畳生活を実現することができるようになりました。
しかし、色味や素材の風合い、通気性や香りなどは天然いぐさ素材にまさるものはありません。
近年では、和紙をハイテク加工した畳表などが開発されており、お客さまの用途やご希望に沿うような、様々な畳を選択できるようになっています。
の技術や製品知識の情報をアップデートし、お客さまにご満足いただけるような「最適の畳生活」をご提案できるように心がけています。
「地域でいちばん、勉強している畳屋さんであるという自負」
それが私の、矜持、プライドです。